100%

夢を見た。 * 恋人は故郷へ先に帰り 二人で住む家を見つけてくれた。 私は後から追いかけていき 彼が見つけた海辺の一軒家に着く。 ついた途端に、巨大な津波に襲われる。 瞬く間に津波は全てを飲み込み 私は棒切れに捕まってなんとか助かろうともがく。 気…

冷風

亡者との戦いは幕を閉じた。 誰も敵にならなかったし かえって周りとの絆が深まった気さえする。 今は平凡で静かな生活を過ごしている。 * 別れた恋人は 彼が成し遂げた偉業より 私との思い出が何より大事だったと気づいた そういった。 何か腑に落ちないも…

沼の底

恋人と別れてからほどなくして 私は良い感じに立ち直った。 あんなに欲しかった子供、自分の家族というのは 一人ではどうにもならないから諦めて 自分の本当にやりたいことをやろうと決めた。 今いる場所や仕事を離れることに決めて 着々と次の場所へ移る準…

雨歩

雨の中を、長靴と合羽で歩いた。 大勢で、とことこと、沼の周りを。 深い深い水たまりにも、ずんずん入っていく。 ぬかるみに足をとられて、転びそうになる。 ここで転んだら、最悪だね、と笑い合う。 雨のせいか、鳥は多くない。 それでも、じっとりと湿っ…

階段

このことについて何かを記すにはまだ時間が必要。 でも、事実は事実。 恋人と別れた。 お付き合いした人にふられるのは初めてだ。 相手の心が離れていくのを感じた。 でも気にしないようにした。 相手の嫌なところも受け入れるようにした。 でも全て一人芝居…

八重桜

今年になってから、ゾッとするくらい、ついてない。 自分の意思に関わらず、穏やかでないことが起きるし、怪我も多い。 お祓い、という言葉が頭をよぎる。 1月:最低な年明け 2月:人間関係の一部が最低 3月:最悪なホワイトデー、膝を負傷、変質者に遭う 4…

蝦夷山桜

昨日、里帰り出産で帰省している幼馴染に会った。 順調と思える彼女の結婚生活だったけど、 義両親との関係で苦労しているらしい。 離婚も考えるほどだったとか。 それならそれで、いいのかも、とも思う。 彼女の実家は家族仲がすごく良いし、 子連れで帰っ…

備忘録

彼は遠くへ行ってしまう。 私はついていけない。一人で旅行にも行けない。 最悪なGWだと思った。 そして本当に最悪なGWとなった。 連休前にこれまで経験したことのない泥沼にはまり、 そのまま休みが始まった。 平和ボケしていたのかもしれない。 なかなか抜…

座禅草

平穏と思っていた日々に、思いもよらぬ出来事が起こった。 人の妬み、嫉み、憎しみをまともに受け止めた。 汚い言葉が耳に残り、聞きたくもない話が心にまとわりつく。 夜は眠れなくなり、食べ物は喉を通らなくなった。 眠れないことはよくあったが、食べれ…

トリカブト

悲しみの大きさを比較しても仕方がない。 死に別れと生き別れなら 多くの場合死に別れの方が 大きな痛みと悲しみを伴うのだろうけど 心を寄せ合った相手と生き別れることも大きな悲しみを伴う。 前へ踏み出すためには立ち止まって悲しむことが必要だ。 大し…

家族

忘れていく。 どんどん忘れていく。 忘れたことはわかるけど 何を忘れたのかはわからない。 心の大きな穴を 以前、満たしてくれていたもの。 その穴が塞がっていた頃はどんなだったのか。 どんな毎日だったのか。 忘れていくから、前へ進めるけど、 忘れたく…

僕の庭

職場のムードメーカーだった後輩くんが、 部署異動で去っていった。 休憩中にその子と話すのが好きだった。 大らかで気持ちの優しい青年で、 誰にも話せないこととか、ちょっとした愚痴とかたまると、 不思議とその子の方に足が向いた。 ”親しみ””親しさ”と…

里山

梅雨の影響で、雨がしとしと。 それを言い訳にして、 昼までゴロゴロと寝て過ごした。 キッシュの作り方の本を買ったから、ぜひ作ってみたい。 ネットで評判のシャンプーが届いているから、取りに行きたい。 でもまあ、あとでいいや。 ゴロゴロ。 *****…

晴れの日。

エッセイを買ってふむふむと読んだ昨夜。 全然納得できない一節に行き着く。 それなのに、素通りできない。 読み進め、読み終わり、 もう一度その一節に戻り、 やはり納得できず、心の中でううむとうなる。 そして別の小説を読む。 義弟がわざわざ連絡してき…

雨の日

久しぶりに、大きな本屋さんへ行った。 気になっていたエッセイや、 素敵な表紙の絵本、 野鳥関連の雑誌など、 楽しくて心踊る。 腸が活発に動く。 不思議だ。 いろいろな本を買って、家路についた。 土砂降りの山道をいく。 ムカムカする。 ムカムカしなが…

夜の散歩

静かな夜。 部屋には電球の橙の光。 今日は餅を量産した。 お正月でもないのに。 年末に買った餅つき機を使うのは3度目だ。 つきたての餅は美味い。 きなこと、のりと醤油、お雑煮で食べた。 前回はごまもあった。 太ってしまう。 今日はダイエット解禁日。 …

鳥を探す旅に出る夢をみた。 明け方に出発して東へと向かう。 カーナビがついているはずなのに地図で道を探す。 昔気質な同行者の好みだろうか。 眠気と戦いながら運転する。 少しずつ夜が明け、朝日が昇ってくる。 美しい。 たどり着いた先は、鳥の楽園だっ…

前だけ

とうとう本当に一人ぼっちになる。 私は絶望の底を這うのが得意だからいいけど 夫は大丈夫だろうか。生きていけるだろうか。 楽しくないと生きていけない人だから。 そう思うと苦しくて泣きたくなって お腹もなんだかキリキリ痛くなって 吐き気もして寒気も…

秋になり冬になり 季節が二つも進んだにもかかわらず 特に大きな変化のない日常。 何か小さなことを初めてみたり 知らなかった感情が芽生えたり 躓いて立ち直って少し学んだりして なんとか生きている。 職場のいざこざで眠れない夜もあれば 大切な人が頰を…

枯れた沢を登る夢を見た。 たくさん歩いた。登った。降りた。 急な岩場や苔生した壁の通路。 虫やキノコや動物の骨。 強い日差し、木陰、気持ちいい風。 前を歩く人の背中、匂い。 ********** 夏休みはとにかく連日雨。 雨がすべての予定を邪魔し…

週末

現実では喧嘩したり問題を話し合ったり笑ったり。 夢の中では森を探検したり良い匂いの薄暗い部屋で読書したり。 どこへ向かうんだろう。 その先へ行っても後悔しないだろうか。 誰かの気持ちや態度や言葉一つで揺るがないものがほしい。 自分の力だけで制御…

夏だ。 涼しい北国の夏。 太陽が足りない。 平凡な毎日を過ごしている。 共に食事を摂り一つも気を使わない家族がいる。 いつも自信満々なハルがいる。 仕事がある。時々辞めたくなるけど基本楽しい。 同僚たちがいる。時々すれ違うけどうまくやっている。 …

終わり

四年弱の結婚生活が終わろうとしている。 終わりに近づいている。 私は学んだはずなのに、全然わかっちゃいなかった。 自分の愚かさに驚く。 頭のネジが抜けてるのか? 結婚した時、世の中には口ばかりの人間がいることを学んだはずなのに。 口先だけで調子…

停滞

焦らなくていい。 焦ってはいけない。 焦りたくはなるけれど。 早く新しい生活を始めたい。 一人で暮らして、自分の生活を自分で立て直したい。 好きな時に会いたい人とだけ会う。 好きな時にやりたいことだけやる。 そんなシンプルな生活を始めたい。 彼に…

群青

甘い言葉を言わないのは野暮だからではないだろうか。 それをもらえないことで不安になることはあまりない。 思ってくれているのがわかるから。 最近ではとてもよくわかる。 嫉妬も独占欲も彼は超越なんてしていないんだと思う。 その苦しさを私にぶつけない…

いつか

一人で過ごす時間が好き。 寝る前の本を読む時間。 料理上達を目指して、練習に勤しむ時間。 外で散歩をする時間。(怪しいけど) 安らぐしとても充実する。 友達といる時間も、言うまでもなく良い。 話したり笑ったり食べたり愚痴ったり。 たぶん私の生活の中…

無理をしても仕方がない。 なるようにしかならない。 だからもし私が最終的に普通の家庭を望むなら、 彼と一緒にいるという選択肢はなくなる。 彼は断言しているのだ。 自分の人生・持てる全てを生きがいに注ぎ込むことを。 彼の真摯な努力を知っているし、 …

棚田

自由に生きたい。 何物にも縛られず。 私にはそれができるはず。 だってもう失うものがない。 何も持っていないんだもの。 でも、情けないことに、 一人になることを考えた時、怖気付いた。 この歳で始める一人暮らし。 風邪や病気でも看病してくれる人はい…

実家は売った。 大量のものを捨てた。売った。リサイクルに出した。 母のもの。 くそが。 ああ。 本当は全て取っておきたいのに。 それでは生きていけない。 母の着ていた服をジップロックに入れて とってあるけれど、それが何か。 人は死んでもその人の匂い…

時間

一人でよく行く海。 気に入りの場所。 一ヶ月ほど前、海が見たい、というのでその場所を教えた。 けれど、教えたことを激しく後悔した。 恋なんて脆くて短命なものに浮かされて、 自分の安らげる場所を教えてしまうなんて。 どうかしてた、と。 けれど、私も…