秋になり冬になり
季節が二つも進んだにもかかわらず
特に大きな変化のない日常。
何か小さなことを初めてみたり
知らなかった感情が芽生えたり
躓いて立ち直って少し学んだりして
なんとか生きている。
職場のいざこざで眠れない夜もあれば
大切な人が頰を包んでくれた温かい手を思い出して
幸せな気持ちで眠りにつく夜もある。
いろいろある。
いろいろ。
誰かの感情を害するのが怖くてゆっくり進む。
進みたい方向はもう決まっている。
でもゆっくりしか進めない。
その先で待っていてくれる人がいる。
一向に進まない現状に
大きな不安を感じさせている。
でも決して私を責めたりしない。
将来の約束なんてないけど。
約束なんてもうしたくもないけど。
ただそばにいると落ち着く。
結婚とか永遠とかもうどうでもよくて。
ただ、今が大事。
こう言ってしまうと刹那的な感じがするけど
そういうわけでもなくて。
先のことなんてわからないからこそ。
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一年が終わる。
少しずつ前へ進む。
憎しみが昇華されていく。
悲しみは消えていく。
寂しさは忘れていく。
来年はもう少し前へ進めますように。
大切な人と、たった一つ、約束した。
彼が生まれ育った場所へ一緒に行こうと。
山と川と夕日と星を一緒に見る。
来年は絶対に行きたい。
できれば、夏。無理なら、秋。
絶対に。
その人との時間は、夢のように過ぎる。
海を見るときも、山を登るときも、
ただじっとコーヒーが落ちるのを見るときも。
静かな時間。
不足もなく、余分なものもない時間。
満たされるということ。
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母の命日に休みをとれなかった。
休んでも仕方がないのだけど。
それでもなんだか。
冬はやはり気が滅入る。
しんしんと降り積もる雪や冷たい空気は
悲しい記憶に直結する。
否応無くこの季節は情緒不安定。
でも生きている。
なんとか。どうにかこうにか。
みんなそんなもんだろう。