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夢を見た。
*
恋人は故郷へ先に帰り
二人で住む家を見つけてくれた。
私は後から追いかけていき
彼が見つけた海辺の一軒家に着く。
ついた途端に、巨大な津波に襲われる。
瞬く間に津波は全てを飲み込み
私は棒切れに捕まってなんとか助かろうともがく。
気づくと、私は死んでいて
棒切れを持った天使になっていた。
津波に飲み込まれた町の上空を飛びながら
溺れかけている人たちを棒切れで助ける。
彼はどこだろう。
必死に探して夕暮れにやっと彼を見つけた。
彼は山に行っていて難を逃れていた。
ほっとした。少し寂しかった。
*
ふと気づくと、森の中にいる。
ドイツで住んでいた家の近くの森に似ている。
クロウタドリの声が聞こえるから、やっぱりあの森かもしれない。
生い茂る葉の間から、日が差し込んでいる。
なんとなく、ここが天国だと思った。
木漏れ日が綺麗だなあと思い、ぼうっとしていると、
ガサ、という物音に気づく。
葉を踏む音だ。
物音の方を向くと、少年がいた。
少年は木に小瓶をあて、樹液を採取している。
その子は私に気づくと、小瓶を差し出し、
樹液を飲むように促した。
琥珀色の樹液は甘く、美味しい。
少年はにっこり笑う。
どこかで見たことのある、ほっとする笑顔だった。
私は少年と一緒に、彼の住む家に向かった。
一緒に住むのだ。
彼と、彼の家族と。
その暮らしはとても暖かく、なんの不安もない。
孤独も感じない。
ここには幸せしかない。
やっとここに来られた、と思った。
*
どんなことでも、笑えるようになりたい。
苦しいことも、恥ずかしいことも、
悲しいことも、失敗してしまったことも。
ちゃんと自分の足で立てるようになったら
暖かい場所へも歩いていけるだろうか。