群青

甘い言葉を言わないのは野暮だからではないだろうか。
それをもらえないことで不安になることはあまりない。
思ってくれているのがわかるから。
最近ではとてもよくわかる。
嫉妬も独占欲も彼は超越なんてしていないんだと思う。
その苦しさを私にぶつけないで自分で昇華しているだけで。
私もそれをマスターしつつある。彼のおかげで。
そして新たな段階が生まれた。
苦しさを個々で昇華する代わりに、
相手に無駄な心配をさせないようにする、という。
一言も言葉を交わさないで、ここまできた。
ある意味無言の圧力か。
甘い言葉も将来の約束も何もない。
甘い言葉は野暮だし、
浅い関係で将来の約束されても萎えるからいい。
それでも気になることもいろいろとあるものだ。
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彼は私に指図しない。
そんな間柄じゃないから当然なのだけど。
縛るようなこととか責めるようなこととか
希望みたいなこととか一切言わない。
それが私にはありがたい。
断れないタイプだから。流されるし。
それでも、小さな、提案のような、希望のようなことを、
ぽろっと言ってくれた。
彼の生活の中の、ささやかな一部として存在できるような、提案。
それがとても嬉しかった。
そうできるかどうかは別として。
私は一人で生きていけるようになりたい。
誰にも依存しないで、自分で自分を幸せにできるようになりたい。
でも好きな人の愛ある言葉は嬉しいものだ。
お互いが無理せず思い合える限り、一緒にいられれば。
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友達と、数年前に一緒に行ったレストランへ行った。
二人で食べて、喋って、たくさん笑った。
食の好みが似ていて!
野菜のマリネが美味しすぎて悶絶したり、
パスタ選ぶ時に二人ともトマトクリームソースにしたり。
美味しいし楽しいしもう。
月一ペースで会いたいね!と。
みんなで会いたいね、とも。
会いたい。本気で。