うわあ

大失態。
大失態?
うわああああ。
眠れなかった。
動揺が大きくて。
何だろう。
悲しみとか、怒りとか、ではなく。
ただただ驚いた。
びっくりしてしまった。
自分が今まで盲目的に信じてきた考え方とは
根本的に違う考え方に触れて。
それが他人だったら、
へえ、そんな人もいるのね、
で済むものの。
この数ヶ月、彼のことばかりを考えてきた。
久しぶりに訪れた恋に舞い上がり、酔い、
そうできることが幸福だった。
誰かを思い、その人も自分を少なからず思ってくれることが。
そこまでは良かった。
私は彼との未来は望まない、とか自分に言い聞かせながら、
心のどこかで、わずかに期待していた。
彼が私だけを思ってくれること。
一番に優先してくれること。
私との未来を考えてくれていること。
期待というか、信じていたのかもしれない。
私にとって人を好きになるってそういうことだから。
気持ちが続くかどうかは別として。
彼は違った。
大きく大きく。
全然違った。
私はもう、驚きすぎて。
何かこう硬いもので頭を殴られたような、衝撃。
頭がグラグラして、動悸がして、手も震える。
彼は確かに私に惹かれていて。
でもそれは私が思い描いていたような絵空事のような話ではなく。
私の願っていたものは絵空事でありながら
とても利己的で合理的で。
それはつまりこの社会の秩序を保つのに沿った、
習慣やしきたりのようなもの。
それをさらに少し束縛を強くしたようなもの。
そんな私の理想と比較すれば、
彼の考えは勝手であるようでいて、
とても正直で清々しくさえあり、
そこに利己的な匂いは少しもしない。
どちらがいいとか悪いとかではなく、
自分がどちらを選択するか。
それだけのこと。
でも箱入りの世間知らずには少々、
この世界の真実の一端は、衝撃が強すぎた。
昨日の夜中からずっと、
深呼吸を心がけて、できるだけ考えるのをやめるよう努め、
それでも呼吸がまだ荒い。
しかしやっと、心の動揺は落ち着いてきた。
ので、こんなところにつらつらと書いている。
この世界にはまだまだ知らないことがたくさんあった。