猫の力

今日は陽の光のことを話した。
やはり彼の隣にいると世界が全然違うものに感じる。
気持ちが落ち着いてきた。
もう大丈夫だ。
突っ走ることは、ないだろう。
同僚として、付き合っていける。
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夫が、二週間弱ぶりに帰ってきた。
とても、不思議な感じがする。
なぜ、私はこの人と今だに暮らしているのか。
なぜ、この人と暮らしているのに、他に思う相手がいるのか。
今日は、少しそのことで胸が痛んだ。
彼が私をどう思っているかわからない。
けれどもしほんの少しでも思ってくれてるなら、
彼の胸も痛むのだろうか。
それはとても嫌だから、私の片思いだといい。
いつの間にか私だけが彼を思っていたならいい。
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彼のこととは関係なく。本当に関係なく。
夫とは、もう無理だ。
もう少し考えてみようと思ったけれど、
私はもう十分すぎるほど考えた。
独逸に行ってすぐ、思っていた結婚生活とは違うことに気づいた。
でも我慢した。
人生の決断は焦ってしてはいけないことを、
結婚の失敗によって学んだのだから、
もう二度と答えを急がないと決めた。
それが離婚でも。
だからずっと我慢して、暮らしてきた。
どうにかして一緒に暮らしていく方法を考えながら。
考えれば考えるほど、暮らせば暮らすほど、
喧嘩は積み重なり、無理だという確信が強くなった。
離婚を躊躇しているのは、考える時間が必要なのではなく、
夫や周りの反応が怖いだけ。
二週間前、このまま帰ってこなければいいのに、と思った。
今日もその気持ちは変わっていなかった。
こんな結婚はもう嫌だ。
一生独身でもいい。
好きでもない人と一緒にいるくらいなら。