他人の目

少しずつ秩序が戻ってくる。
やる気や元気や前向きさを取り戻し
思考を憎しみが支配することもなくなり
暴飲暴食の衝動も収まり。
毎月こんな事があるわけじゃない。
一年に数回だ。
季節のせい?それとも一人でいるせい?
仲の良い友達は遠くに住んでいる。
電車で片道一時間弱。
独逸の電車賃は高い。バカにならない。
夫が働いている間に、
彼の日給の何分の一を使って、
私は彼女に会いに行くのだろう。
が、申し訳ないが私は行くのだ。
彼女に会いに。
週に一度。足繁く。
それでも足が遠のいてしまうのは
お互いにそれぞれ忙しいから。
すぐ近くに住んでいればよかったのに。
学校で疲れ果てた後にでも、
ちらっと顔を見られればいいのに。
日本に帰ったとしても、
私たちは少し離れた場所に住む。
車で一時間ほどだ、きっと。
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毎日、同じような食卓。
夫は文句を言わない。
美味しいね、と食べる。
本当に、美味しいのだ。
でも、毎日、同じような食卓。
独逸の野菜は、種類においても、
新鮮さにおいても、故郷のそれに劣る。
しかも高い。
冬はキャベツと白菜ばかり食べていた。
しかも高い。
秋までは大根ばかり食べていたけど、
冬になったら大根が消えた。
最近、ブロッコリーが安くなった。
だからブロッコリーばかり食べている。
一昨日、かぶが店に出ていた。
夏は何が消えるんだろう。。
食事はただの栄養摂取ではない。
美味しいものや珍しいものを食べれば、
平凡な1日のちょっとした喜びとなる。
そう自分に言い聞かせる。