挑戦

チャレンジしてみようと思っていることがある。
ずっと思っていたが、一度も行動に移したことがなかった。
今はまだ無理だ、とずっと思ってきた。
何の努力もせず、ただ思っていただけなので、
恥ずかしくて口にすることもなかった。
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ただ一度だけ、止むを得ず、人に話したことがある。
24歳の時。就職が決まった年の秋。
自分の将来に悩む男友達が、急に電話で相談してきたのだ。
私はその人にはめっぽう弱くて、
自分の恥部ともいえる秘密の夢を漏らしてしまった。
彼は、私になぜその会社を選んだのかと聞いてきた。
会社とは何を基準に選べばいいのか、とも。
実際のところ、私がその会社を選んだのではない。
他の会社が私を選ばなかったのだ。
私は馬鹿正直に、その旨を説明した。
その上で、自分の密かな夢をばらした。
焦ったからだと思う。
内定をもらえなかったことではなくて、
大事な人が真剣に悩んでいるときに、
何の参考にもならないことしか言えないことに。
結局、私は夢に向かって努力しているわけでもなんでもないので、
何か参考になるようなことが言えたわけではない。
ただ、自分には夢がある。
だから、会社はお金を稼げればなんでもいい、というようなことを言った。
驚きながらも彼は納得していた。
彼は、夢を追いかけて一度挫折して、
まだ追い続けるべきか、諦めるべきかを悩んでいた。
何の経験談も語れない私だが、
絶対に諦めるべきではないと思った。
諦める意味が、全然わからなかった。
叶う可能性は高いと思ったし、年齢だってまだ若かった。
そこだけは力強く説得した。
彼は結局、諦めずに夢を叶えた。
もうその彼にも4年会っていない。
しかし便利なもので、PC上で知りたくもない近況を知れる。
彼は元気にやっている。
彼が幸せであってくれればそれでいいと、15歳の時から思っている。
けど、時々本気でSNSをやめたくなる。矛盾だ。
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なぜ、その会社を選んだのかと聞かれた時、
圧迫感のようなものを感じ、苦しくなった。
今なら思う。
全ての人が夢や熱意を持って仕事してる前提で話を進めないでくれ、と。
世の中にはただ生活のために働くひとだっているんだ。
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話は変わるが、駐在妻に対して悪いイメージを持つ人が多いことに驚く。
特に若くて子供のいない駐在妻は、
夫にくっついてきて海外でダラダラしている怠慢な女だと思われているようだ。
確かにその通りかもしれない。爆
しかし駐在で働いている仲良しのある女性は、
「駐在妻にも彼らにしかわからない苦労がある。
それぞれに事情があるし、そもそも海外で暮らすこと自体大変なことだ。」
と言ってくれる。
彼女はとてもニュートラルで、女っぽいドロドロした考え方をしない。
でも彼女のような考え方をしない人の方が圧倒的に多い。
友達にすら、
「私ならまず自分で海外にきて働きたいって思うけど」とか
「旦那についてくだけなんて悔しいって思わないの?」とか言われる。
人生山あり谷ありだし、休みたい時だってあるし、
休みたい時に休めるなら休めばいいんじゃないのかなあ。
まあ、そういう皮肉をいうのは女の人なのだ。
海外でバリバリ働いて、
家事もきちんとやって、旅行とかも行って、
全部一人で、きっちりこなしている女性たちにとっちゃ、
理解できないのも無理はないのかもしれない。(棒読み
ある人は、これを嫉妬だろと言っていた。
仕事ばかりして結婚もできず、疲れ切ってる女にとって、
駐在妻みたいないいご身分のやつらは羨ましくて目障りなのだと。
でも私はこれに同意しかねる。
結婚なんかより海外で女一人で働く方が、
よっぽどやりがいがあって充実した日々ではないか?
そんなカッコイイ女たちがやりがいなんて一つもない駐在妻などに嫉妬などするか?
謎は深まるばかり。
どうでもいいのだが。
そう、私は全然気にしていないのだ、本当は。
話の流れで書いただけ。
何を言われようが、どう思われようが、全然気にならない。
そんなことを言われるような集まりには顔を出さないし、
何より好きなことを好きなだけできる、今が幸せだ。
ありがたいとしか思わない。
専業主婦という存在も批判されがちだが、悪いものではないと思う。
世の中、のんびり暮らして心に余裕のある人がいてもいいではないか。
そういう余裕が、ささやかな助け合いを生んで、
気持ちいい世の中を形作る助けになったりするのでは。
ああ、どんどん関係ない話になっていく。
眠いせいだね。
もう寝よう。
とにかく私は挑戦するぞ。