ここはまだ秋。
故郷はとっくに冬だというのに。
それでも夜、しんと静まり返った寒い外を歩いてると、
いわゆる冬の匂いを感じることも。
一年間で、冬の匂いだけが、故郷を思い出させる。
一年の半分くらい雪が降るような場所だから、
やっぱり故郷のイメージは寒い冬なのか。
それとも、他の季節の匂いは、そもそも故郷のものとは違うのか。
そういえばここの秋は、イチョウの匂いがしなかった。
森の匂いも、どこか故郷のものとは違う。
畑と家と森、景観はとてもよく似ているけど。
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夫は変わったとおもう。
結婚前はふわふわ軽くて明朗な、
何の影も感じられない坊や、という感じだった。
家族に愛されて、友達に恵まれて、
会社でも人気者だった。
今は、違う。
本質は変わっていないけど、
性格がひねくれたし、影もできた。
人に対して秘密を持った時にできる、影。
彼の秘密は、私だ。
外面は優等生で通し、
実際は陰険で底なしに暗くて手に負えない妻。
そんな妻と過ごすことで性格がひねくれて、
妻が自分の手にあまることで揺ぎなかったはずの
自信も失われたんだと思う。
だからか知らないが、
実家で過ごした彼に久しぶりに会うと、
生き生きと輝いているのだ。
無償の愛は人に素晴らしい影響を与えるのだと、
彼の変貌ぶりを見て知る。
愛してくれる人がたくさんいるのは、なんて幸せなことだろうと、
他人事のように思う。
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昨日は一日中家にいた。
知り合いから借りた本を読みふけっていた。
独逸でも人気のアメリカ人作家による
第一次世界大戦を描いた作品で、
読み始めたら止まらなくなった。
カタカナで偉人や出来事の名前が羅列してある
世界史の教科書は到底好きになれなかったけど、
それが小説になると俄然面白くなる。
イギリスの炭鉱労働者、貴族、ドイツのエリート外交官、
ロシアの工場労働者、アメリカの学生、
複数の国の様々な立場の人たちの視点から、
物語が描かれるのも、素晴らしい。
一つの世界大戦を巡る何人もの人生を追えるんだから。
多少読み飛ばしてしまった部分があるから、
もう一回読み返したいけど。。。。
かなり分厚い文庫×3だから、時間が。。。
ああ、でもやっぱりもう一回深く読み返したい。
寝る前だけという制限付きで、読もう。
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晴れない。
ずっと、どんよりと曇っている。。。
天気予報は晴れなのに!
なぜ、この国の曇りはこんなに陰鬱なのかしら。
出かける気も失せるほどに。