重たい

よく晴れた日。
温かくて日差しが気持ちいい。
夫の母にあげる約束のティーコゼーを縫いながら、
祖国の最新ドラマをチェックする。
二つ見終わったところで、ティーコゼーは完成した。
人にあげるものを作ったのは、初めてかもしれない。
人に贈るものが作れるような腕はないのだけど、
ほしいと言ってくれたから。
丁寧に時間をかけて作った。
新作ドラマも両方、よくできていてご満悦。
***************
ごくたまに、とてつもない寂しさに襲われる。
大きな孤独が急に姿を現して、暗闇に飲み込まれる。
そうだ、自分は孤独だ、と気付く。
生きるため、目を逸らすことに決めたんだった。
本当は、こんなにも孤独だ。
こんな重たいものを抱えて、
あとどれくらい生きていかなきゃいけないんだろう。
もう嫌だ、悲しい、苦しい、寂しい。
そして、また目を逸らす。
生きていくため。
焦点を合わせずにぼんやりと過ごす。
どうにかこうにか、生きている。
全然前に進めてないけど。
ろくでもない嫁、妻、娘だけど。
***************
一つ思ったのが。
父は私に前に進んで欲しいとか、
成長して欲しいんじゃなくて。
ただ、心配しているのかなってこと。
異国の地で主婦をやるって、簡単ではない。
孤独だしいくらでも腐っていける。
自分の抱えるコンプレックスのせいで、
ひねくれた捉え方をしていた気がする。