べっきょ

一週間の休暇をとって
彼の出発準備やら何やらをして
慌ただしく過ごした。
ネムーンもどきにも行き、
湖畔にある素晴らしい宿に泊まった。
最後の二日は、彼の実家で、
彼の家族や親戚、友達の中で
賑やかに過ごした。

彼を見送ってから二日と少し。
家の中でのんびり過ごしている。
さみしさに覆い尽くされないよう、
心の動きに細心の注意を払いながら。
三か月耐えれば、
一緒に暮らせる。
付き合い始めてから、
ずっと願っていたことが叶う。
仕事をしていれば、
三か月なんてあっという間だ。
忙しくしていよう。

今日、ふいにあの人を思い出した。
「変わってるねー」
と、よく言われた。
そう言う時の優しい笑顔を思い出して、
胸が苦しくなった。
愛されていたなぁ、と思う。
そう思うと、嬉しくて、有難くて、苦しくなる。
あんなに、他人に深い部分を好きになってもらえるなんて、
幸せなことだと思う。
そう素直に思えるのは、
彼への未練がなくなったから。
大切な思い出。

明日も穏やかな日でありますように。