涙が流れる。
母のこと以外で泣くのはいつぶりだろう。

別れの予感がする。
あんなに好きだったのに。
あんなに幸せだったのに。
私の心は長い年月をかけて
かたく押し潰されて
ほんの少しのゆとりさえなくなってしまったようだ。
違いを受け入れられない。

いつもそうだった。
白か黒しかない。
駄目だと思うなら、
別れるしかない。
そう。
実は少し安心している。
また一人に戻れる。
嬉しいことも悲しいことも減る。
静かに過ごせる。