何時

何ヶ月も、胸をしめつけてきた不安から解放された。
兄が、救い出してくれた。
その優しさに、涙が出そうになる。
私たちは昔から、そうだった。
お互いに特別だった。
分かり合えて、与え合える。
そういう相手は、そういるものではない。
私にとっては、兄とあの人だけで、
二人ともいっぺんに離れてしまったから、
とても困惑した。
時々、羨ましいと言われる。
とても兄妹仲が良くて。
この間も、お兄ちゃんをよく見ていて、思っているね、と言われた。

もう、置いていかれるのは嫌だ。
たまらない。
でも、そんなの甘えだ。
物事は思い通りになんかならない。

もうすぐ冬が来る。
淋しい冬になる。
一年はあっという間だった。
今年のお正月は、必死だった。
気を抜くと、もう、生きていけない、
という絶望に襲われそうで、
怖くて、必死で家事や雑務をこなした。
来年は、とてもましになるだろう。
きっと、穏やかな気持ちで、茶碗蒸しやお節料理を作る。
兄と布団を並べて、お喋りをしながら寝る。

前へ進みたい。
遠くへ行きたい。
希望を持ちたい。