何度

彼が遠くへ行く。
許されるなら、私もついていく。
たくさんの美しいものを、見ながら生きていく。
お母さんにもいろんなものを見せてあげられる。
きっと、お母さんは私を見ているから。
そう信じている。

私が立ち直れないことで、
彼にはたくさんのつらい思いをさせている。
でも、仕方が無い。
それを承知で、そばにいようと言ってくれたから。
申し訳ないと思う。
でも、彼がいてくれるから、
立ち直らなきゃと思う。
一人なら、いつまでも半分生きて半分死んでいたかった。

世の中で一番悲しいことは、
死ぬことじゃない。
今はそう思う。
たまに、目の前にいる人と、あと何度会えるだろうと思う。
むむむ。

兄と久しぶりに長電話した。
心の中に溜まってた、一番重くてつらい悩みを吐き出した。
兄は、受け止めてくれた。
たくさん話した。
きちんと答えてくれた。
誰にも言えなかったこと。
自分でいくら考えても答えは出なかった。
苦しかった。
兄が全部答えをくれた。
ああ。
兄の妹でよかった。