軌跡

引っ越した。
まあまあ広くて新しいマンション。
なぜか玄関が便所臭い。
部屋を住み良くすることは得意だ。
早く隅々まで心地よくしたい。

彼の家から二分。
近い。
もちろん部屋は付き合う前に決めた。
職場から二つ離れた市に決めたのも
彼の家から激近のマンションに決めたのも偶然。
他にもいろいろ奇跡かと思うようなことが重なる。
運命だね★
と彼は言う。
そう言う彼が好きだけど
私は素敵な偶然がいくつも重なるなぁと思う。

今も私はたまに泣き出す。
彼といる時もたまに。
彼は慣れた様子で抱き寄せてくれる。
大丈夫だよ
歌うようにそう言う。
そして変なことを言って笑わせてくれる。
今はもう泣くことよりも笑うことのほうが
必要になっているから
ケタケタ笑って何故泣いてたのかさえ忘れる。

明日のお弁当はオムライスにする。
ピーマンをたくさん入れよう。