盤糸

へんなの。
一週間前まではほとんど話したことすらなかったのにな。
彼の優しい笑い声を聞くと安心する。
毎晩寝る前に電話をくれる。
話したら元気が出ると言ってくれた。
必要とされるとこんなにも満たされる。
それすら忘れていた。
毎晩、時間を忘れて話す。
ペンギンのこととか、
今度どこに行こうとか。
二人で笑いながら、話す。
その時間をとても待ち遠しく感じる。

戯言を書いている。
年下の男のこと。
朝原の時も、言っていた。
恋愛感情じゃないと。
でも自分の書いた文章を読むと、
ノーマルな恋にしか見えない。
会いたいと思う。
でも自分のものにしたいとかではなくて
優しい気持ちで
相手の幸せを願いながら慕う。
みたいな。
異性として見てはいないから
恋とは違うとおもってきたのだけれど。
わからん。
これからどうなるかもわからない。
積み重ねていくしかない。
とりあえず週末が待ち遠しい。
こんな風に思うとは。
てゆーか、お前彼氏いるだろ
って自分でつっこんでみる。

四十九日を過ぎたら泣くのをなるべくやめると決めていた。
四十九日という日に世間で言うような意味があるとは思わない。
ただ、一つの区切りとして。
自分のために。
今でも目に浮かぶ。
スーパーでも家のベランダでも
笑顔で手を振る母の姿が。
今にもひょっこり現れそうで。
自分も半分死んだような気持ちだった。
思い出すのをやめた。
何一つ忘れたくはないけど。
痛みを伴わずに思い出せる時まで
考えないことも必要だと思った。
もうすぐ母の誕生日だ。