ほっけ

夫と少し、険悪だ。
入院中の夫の祖母のお見舞いへいくため、
夫の実家に行かなくてはならなかった。
用事があるから別々に行く、と言ったら、
それが感じ悪いと思ったらしい。
それでも単独行動は快適だった。
道の途中で、お見舞いのお花を買うこともできた。
夫と一緒だと、それすらできない。
「え、いらないよ。どうしても必要?」
夫ならこう聞く。
そう言われると、私は自分の意見を通せないのだ。
そして、小さな不満がまた溜まる。
ここで自分の意見を通しても、それはそれでストレスになる。
私はお見舞いのあと、夕方まで夫の実家に滞在して、
私たちの近くに住むもう一人の夫の祖母を家まで送りがてら、
先に帰ってきた。
晩御飯を用意して、電話をしたら、
まだ帰らない、と。
でも、晩御飯あるよ、と言うと、
適当に食べて帰るから、と。
お父さんと、お母さんと、弟と、犬のいる家で、
彼は晩御飯を食べてから、帰ってくる。
私が悪いんだろうか。そうかもしれない。
でも、なんだか残酷だ、こんなの。
女の家から帰ってくるよりも、
ずっとずっと、残酷だ。
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一人で生きて行く強さを身につけないと。
もう結婚は嫌だ。
私には無理だ。
こんな風に相手を嫌ったり、
残酷な仕打ちを受けることになる。
苦しい。
自分の生活を自分でコントロールする力をつけて、
一人で生きたい。
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彼とも、適切な距離をとっていく心づもりができた。
心の中はどんなでも、全てそれに従って生きていたら、
生きにくくなるばかりだ。
後先考えて慎重に生きる。