おばあちゃん

相変わらず、のんびり生きている。
数日前、とてもお世話になった人が、帰任した。
毎週のように一緒に食事したり、
旅行に行ったり、相談に乗ってもらったり。
幸い、とても賑やかな後任が来たし、
心強い主婦仲間もできた。
一年半経てば、また一緒に暮らせるしね。
逆を言えば、一年半後には、こちらでできた知り合いと
離れなければならなくなるんだけどね。
出会いと別れだなぁ・・・。
昔からずーっと同じところに住み続けていたから、
出会いと別れに疎い。
自分が去ることはないけど、来る者は来るし、去る者は去るという感覚。
いつも、自分はぼんやりと過ごしていて、
突然新しい出会いがあって、突然別の人が去っていく。
けど今度は自分が去るんだなぁ。
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三年経って帰ったら、浦島太郎だねという夫の言葉。
三年のブランクは同期と差がつくよねという友達の言葉。
そうなのだ、実際。
こちらに来てすぐ、仕事のことは忘却の彼方。
ぼーっと、ひたすらぼーーーっとする日々。
やることといえば、語学と家事。
この一年ちょっとで、何か仕事に関することで上達したか?
いや、していない。
私がこんな生活を続ける中、同期は次々出向へ。
経験を重ねていくのだ・・・。
差がつく、なんて生易しいレベルじゃない。
所属部署で一年の経験しかない私なんて、
無駄に歳食った新人じゃないか。
帰国時、私は29歳。
恐ろしい。
仕方ないといえば、仕方ない。
何か、こちらでできることはないかと考えてみる。
うーん、ない・・・。
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行方不明だった、おばあちゃんが生きていた。
前の家の三階に住んでいた、おばあちゃん。
誰かから連絡を受けて、消防隊が家に突入したらしい。
が、おばあちゃんは家にはおらず・・・
一週間後、どこからか帰ってきた。
生きていて、よかった。
けど、どこいってたのかな、おばあちゃん・・・。