跋扈

私の世界に妙な人が現れた。
動物好きでニコニコして軽くてふわふわした人。
本当に妙な人だ。
ただのチャラ男だと思っていたのに
ただの変な人だった。
まだ若いのに、そろそろ落ち着きたいのだと言っている。
付き合うなら結婚を前提に付き合いたいのだと。
別れるのが嫌だから、恋愛はもういいのだと。
去年の私とおんなじことを言っている。
まだ若いし、一時の気の迷いだと思いますよ
と受け流したが、本当は彼は本気だと思っている。
軽いけれども、芯は強いことが話していてわかる。
今の私は史上最強に冷静なのだ。
ろくに面識のないその人とも冷静に話していられる。
簡単に怒ったり泣いたり恋に落ちたりはしないのだ。
しかしせっかく楽しく遊んでもらっているのに、
あまりにも可愛げがなさすぎるような気もする。。。

* *

この前、合コンというものに参加してみた。
ノリが悪くて申し訳ないなぁと思いつつ
友達のお願いでついてきて
友達が満足そうにしているからいいだろうと割り切った。
楽しそうな人たちを眺めながらおいしいお酒を飲んだ。
いい人たちだったと思う。
女の子は愛嬌だよって言われた。
うんうん、私もそう思う。
けど初対面の人に愛想を振りまくことが
ほかの人にとっては簡単なことでも
私にとってはとても難しいことだから
仕方ないよねって思った。
これでも人を不愉快にさせないようには
がんばっているんだよって。
その男の人と話すのは楽しかった。
また会って話してもいいと思った。←上から

* *

たまにふと思い出す。
自分には一応、彼氏という存在がいることを。
欲しくて手に入らなくて傷つけあって最終的に憎しみしか残らなかった人。
別れる言葉を探すのだけどいつも見つからない。
何と言えば納得してくれるだろう。
探すけど見つからない。
きっと納得しないだろうということがわかるからかな。
だから先延ばしにしてしまう。
本当はもうバッサリザックリ不満を並べて別れようと思っていた。
それしか思い浮かばなかった。
けれど先日会った友達と彼の話をしていて
付き合っていくことの限界を冷静に伝えるという選択肢もあるのだと気づいた。
自分ではそんなこと思いつかなかった、絶対。